アイドルのライブを、"視た"
新宿は驟雨!
2019年某日、少しずつ雨脚が強くなる中、傘を忘れて小走りでライブハウスへ向かい、買ったばっかりのGジャンが湿ったときのメランコリックな気分は、唐突に目の前に現れた彼女達によって、いとも簡単にひっくり返されました。
↑当時のアー写
地下アイドル Advent Calendar 2021 12月21日の記事です。
気が付けば今年も12月。伊勢丹の息が合わさる衝突地点の突き刺す季節となりました。
本日は僕が好きなアイドルを紹介し、ポエム風に崇め奉る記事となります。
「われらがプワプワプーワプワ」、通称われプワというアイドルグループ。新宿で行われた対バンで偶然の出会いを果たした瞬間、僕の心に強烈なインパクトを残していきました。
D78星雲というところから地球にやって来て、アイドル活動を通じて人々をプワプワにさせ、世界征服することを目標に掲げています。現在は「柴田あいこ、川崎ひかる、丸島ゆいの、星空こまる、黒咲はな」の5人組の宇宙人(というかプ宙人)です。
近ごろは二億年前の地球に存在していた宇宙人であることが判明し、新たなる生命の創造を試みたり、そのちょっと前はサプリメントを販売する企業の社員だったり設定がコロコロ変わるのでそこら辺はよく分からなくなってます。
まず、その変わったグループ名に注目すると思うのですが、われプワは曲が良くて、個性的な衣装であったりメンバーの一人ひとりがもつ魅力が、ヲタクの心を鷲掴みにして離さない要因だと思います。
そして何より、ライブが楽しいということ。
どれほどかと言うと、今から15年くらい前、がきんちょの頃にトイザらスに行ったとき以来となる感情の昂りがありました。
遊ぶことを生業にしている子どもにとって、トイザらスとは、桃源郷の最果て。
当時の感覚が蘇り、忘れてしまっていた大切なものを思い出させてくれるような、そんな不思議な体験をしました。
幸せとは抽象的な言葉で目に視えないものですが、僕はある日のわれプワのライブで、幸せが「実体」として、そこに存在していることを確認しました。
概念でしかなかったものが、確かに「目視」できている。
もしサンテグジュペリがこのブログを読んでたらちょっと忠告しておきたいんですけど、星の王子さまの続編を書く前に一旦、われプワのライブを見てください。
大切なものであっても、目に見えないとは限らないということが、言えてしまうのです。
それではここで、われプワの楽曲を少し紹介しようと思います!
最近行われた楽曲人気投票で投票した3曲になります。
通称「はてな」と呼ばれたりする、グループ名と同名の曲。
セトリに入る率も非常に高く、自分が行ったライブでは多分一番聴いた曲じゃないでしょうか。
だいたい最後の方にやることが多いので、イントロが聞こえるたびに明日もこうして終わるんだねと葛飾ラプソディー的な哀愁を感じつつも、セトリに入っているとやっぱり嬉しかったりします。宴もたけなわですね。
先ほど初見で強烈なインパクトがあったと書いたのは、サビの大きな横移動を見たときでした。
「つまんない日常をプワプワに変えてくの~」という意味わからなすぎる歌詞に合わせてヲタク達もケンケンパで右往左往する光景を人生で2度目となるアイドル現場でいきなり目の当たりにした僕は、またこんな場所に放り込まれたいなぁ~と思いました。
巨大なトレッドミルの上で匍匐前進したことがある人は分かると思うんですけど、時折自分が今、前に進んでいるのか後ろに下がっているのか、起きているのか寝ているのかすら分からなくなることがあります。
そんな意識の中で、目の前に一条の光がふわっと差し込んで、灰色の毎日に彩りが与えられ、新たな幸せに気づく。
つまんない日常をプワプワに変えるというのは、そんな意味なんじゃないかと思ってます。
この曲はわれプワの中でというよりも、全アーティストの全曲含めてもトップクラスに好きなので、先述のランキングで33曲中16位という順位だったのは意外でした。
一言でいうと、最初から最後まですべての部分がサビのような曲です。
アニソンで例えると、2017年に「けものフレンズ」のオープニングテーマとして脚光を浴び、話題を席巻した「ようこそジャパリパークへ」(大石昌良)のように、賑やかで楽しく、沸ける曲となっています。
ランキングで投票する3つの中に選ぶ理由は、歌詞にビビッときたとか振り付けが面白いとか色々あると思うのですが、この曲は本当にメロディラインが天才的なので、音楽性が素晴らしいという理由で気に入っています。
また、振り付けも楽しさと可愛さのあふれるものとなっています。
われプワの衣装の中でも、僕は星条旗をあしらった衣装が特に好きすぎるのですが、その色合いの鮮やかさと、最も盛り上がるサビで小刻みに手を振るダンスが合わさったときのステージは壮観でした。
個人的にはわれプワの代表曲の1つだと思っています。
この曲との出会いは、ライブでもサブスクでもなく、YouTubeにあがったMVでした。
このMVを最初に見たとき、僕は心のわだかまりがすべて霧消し、ただただ前向きな気持ちになれたことを鮮明に覚えています。
個性派の楽曲が多い中で、この曲は王道のらゔソングで、自然と優しくなれるような、小気味よい安らぎを提供してくれます。
特徴として、歌のパート分けがわかりやすく、ユニゾンはほぼサビのみになっているため、メンバー個人の歌声を感じやすいところも好きです。
先ほど幸せという抽象的な概念が「実体」として目に視えたと書いたのは、恵比寿CreAtoで初めて至近距離でわれプワのライブを見たときのことでした。
ベランダをMVでは何回も見ていたのですが、その日にライブで初めて見ることができたのは嬉しかったです。
われプワの楽曲には他にも、聴くたびに涙腺が緩み目頭が熱くなる「シアワセ♡ハイスクール*1」や、Tik Tokで激バズりした「バババ」など、良い曲が沢山あり、最近出た曲の中では、「デスペラード・マスカレード」がオススメです(僕は勝手に「デペマス」と略しています!)。まずはSpotifyあたりで聴いてみて、ライブハウスへ足を運んでみてはいかがでしょうか。
さて、現場の魅力は十分に伝わったと思いますので、それではここで僕の推しメンの話をしましょう。といいつつも、今年の6月にすでに卒業し、現在はメンバーではないのですが、2021年の思い出の総決算として書こうと思います。
今年の出来事は、来年になると去年の出来事になる、そんなことは当たり前なんですが、当たり前にあったことが儚く尊いものだったことに気付き、今生きている時間が大切にすべきものなのだと実感して知りました。
アイドル現場に通い始めて2年半以上が経ち、対バンなどで様々なグループ、アイドルを見てきました。
その中で、一番好きになったアイドルが、われプワを今年の6月に卒業した相沢菜々美さんです。
かわいい!
初めて彼女を見たとき、一瞬でハートを射抜かれました。
推しの尊さのあまり膝から崩れ落ちるという表現はよく耳にしますが、あまりの可愛さに実際に足の力が抜けてその場に立ち続けているのが至難の業となるほどでした。
最初はその圧倒的な顔の可愛さから一目惚れをしたのですが、Twitterなどで言葉を発信していく姿を見て、アイドルへのひたむきな姿勢、内面の良さにも惹かれていきました。
1回目の特典会に行った日から2回目に行くまでに1ヶ月以上開いてしまっていても、ちゃんと覚えてくれていて、ファンのことをとても大切にしている人だと感じました。
そして、ライブ中の表情がとても良いのです。アイドルのことを推す基準には、歌の上手さだったり、ダンスの上手さだったり、色々あると思うのですが、僕は「ライブ中の表情」を重要視しています。(これは、2年半以上アイドルヲタクを続けていて最近になって気付いたことで、自分でも意外な発見でした。)
本当に屈託のない素敵な笑顔で、楽しそうに踊っているのを見ると、こちらまで笑顔になります。
好きなところが沢山あるのですが、一言で表すとするならば、「きゅるるるん」なところでしょうか。
「きゅるるるん」が何なのかについては、以下のインタビュー記事を読んで頂くと分かるかと思います。
◆はじめましてをしたのは、2019年11月4日
新宿BLAZEで行われたわれプワの4thワンマンでした。(先ほど紹介した「こずみかるらゔらゔぽっぷ」のお披露目公演でもありました。)
この頃は、6人で活動していたのですが、その前に僕がわれプワを生で見たのは、菜々美ちゃんが足の骨折で休養中の時期でライブに出ていなかったので、歌って踊る姿を見るのは初めてでした。
彼女のことは写真を見たことがあるだけだったので、実際に会ってみると予想を遥かに超える可愛さだったのでびっくりしました。
◆鬼滅の刃にドハマり
これは2回目に撮ったチェキで、赤坂BLITZで行われた大きめの対バンでした。
菜々美ちゃんはアニメが好きで、この時は鬼滅の刃にハマっており、自分はまだ序盤までしか観ていなかったので、面白いところを聞くと、覚醒するところが面白いと言っていた覚えがあります(多分ヒノカミ神楽か痣の発現のことだと思います)。
その後、僕も鬼滅の刃のアニメを全部見て漫画も全巻買うようになったんですけど、最終巻が出た頃は、領域展開してました。
明るくて話も面白いので、僕はチェキを見返すとその時に何を話したかかなり詳細に思い出せちゃいます。
◆斎藤真尋さん卒業式
これは旧メンバーの斎藤真尋さんが卒業した日でした。
僕がわれプワの存在を知ったのは菜々美ちゃんが休養中の時期で、元々、真尋推しだったのですが、その後活動を再開した菜々美ちゃんに一目惚れしたため推し増しという形になり、誰推しなのかと聞かれたときには二人と答えていました。このとき二人とも平等に推すという姿勢を取っていたのですが、真尋さんが卒業してからもわれプワの現場に通い続けていくうちに、菜々美ちゃんのことがますます好きになり、これ以上ないってくらいに好きな推しメンになりました。
そういった時系列のためか、菜々美推しとしてずっと想い続けていたんですが、本人には卒業後も「真尋さんのイメージが強い」と言われてしまいました…(苦笑)(一方、真尋さんには「菜々美のイメージが強い」と言われるという、お互いに逆になってるバックワーデーション状態)
◆生誕祭「相沢菜々美の祝日」
2枚目は僕が描いたイラストです。
この日だけはなんとしてもチケットを取りたくて、TIGETの画面に販売開始5分前から貼り付いていました。
そして生誕祭当日。一日中緑のペンライトを点けていました。
1年に1度、主役となって行われる生誕祭。ソロ曲として「Darling」「トリセツ」(西野カナ)、こまるちゃんと2人で「君の知らない物語」(supercell)のカバーを披露しました。
僕はアイドルヲタクになる前からアニメヲタクもやっており物語シリーズもよく観ていたため、自分の好きなアイドルが好きなアニメの曲を歌うところを間近で見れるのは感動でした。
◆2021年1月、活動休止
今年の1月、国の「緊急事態」が深刻化し、医療従事者としてアイドル活動が難しいということで、活動休止期間に入りました。(菜々美ちゃんは普段は看護学校に通っており、アイドルと学業の両立をしておりました。)
◆2021年6月23日、卒業
6月に卒業お別れ会があり、看護師の道に進むためわれプワの卒業が決定しました。
アイドルとして、最後にこうして見届けられる機会を作ってくれたことは、本当に有難いことでした。
これまで沢山幸せにしてくれてありがとうということ、自分にかけてくれた言葉の一つ一つがとても嬉しかったこと、菜々美ちゃんがいたわれプワのライブは本当に楽しかったことを直接伝えることができてよかったです。
活動休止から卒業までの間にわれプワは、新メンバーの加入や新衣装によって雰囲気が大きく変わりました。
最後に披露したのは、こまるちゃんと2人で披露した「サヨナラの意味」(乃木坂46)のカバー、そして菜々美ちゃんがかつて落ちサビを担当していて最も思い入れの強かった「ベランダから始めるセカイセイフク」でした。
「サヨナラの意味」は橋本奈々未さんの卒業センター曲で、名前が「ななみ」だったことから、卒業するときにはこの曲をやろうと前から決めていたのかもしれません。
◆その後
菜々美ちゃんが卒業してからしばらくの間、意気消沈していた僕は乃木坂のMVをYouTubeでイッキ見する期間がありました(乃木坂史の勉強)。
これはアイドルヲタクになる前のことなので、しばらく忘れていたのですが、自分が以前通っていた中学と高校の通学路が、乃木坂46のMVの撮影で使われていたことを思い出しました。久しぶりに見てみると、数年前まで二千何百回と通っていた道を、「齋藤飛鳥・与田祐希・大園桃子」の3人が確かに走っているのを確認しました。どうしてこんなに凄いことを今まで3年間も忘れていたのだろうと思いました。
そうしていると、吉報が舞い込んできました。
菜々美ちゃんに、秋葉原のメイドカフェで会うことができたのです。本当に嬉しかったです。
活動休止期間中、恋しさが募り、好きな気持ちがどんどん増していました。「われプワで活動していた頃にライブにもっと沢山行っていれば…」と強く後悔したので、もう後悔しないために、行けるときは毎回行くようにしました。(僕は今年就職したので経済的にも余裕ができました。)
メイドになった推しのチェキです。
ほんとに、何をしてても天才的にかわいい!
*1:「シアワセ♡ハイスクール」は、われプワの曲として扱われることもありますが、厳密には「私立プワプワ学園1000年β組」という姉妹ユニットの曲です。